予実管理/予算管理システム~Workday Adaptive Planning|予実管理、効率よく予算編成/集約管理するならクラウド型BIツール

キリンビール株式会社

データ活用による製造原価管理に貢献するクラウドシステム

キリンビール株式会社は、キリングループの中で国内のビール・発泡酒・新ジャンルやRTDの商品開発、マーケティング、製品の製造を担っており、全国に9つの工場を持つ日本綜合飲料事業の中核会社です。2016年度中期経営計画(2016年-2018年)においては、「ビールカテゴリーの魅力化」、「機能性カテゴリーの強化」、「ブランドに継続投資するための事業基盤の強化」を掲げています。
生産部は、工場の運営や製品需給の運営を含む各種戦略を策定し実行するミッションを担っており、全国9工場の統轄を行っています。
当社では、製造原価管理業務でWorkday Adaptive Planningの採用を検討し、2015年度より運用を開始いたしました。

お客様の嗜好の多様化に適した新クラウドシステムへ

生産本部生産部主査 吉光 繁和氏

生産本部生産部 主査
吉光 繁和氏

Workday Adaptive Planning導入前には、制度会計の原価計算を行う経理システムのデータを活用して管理会計を運用していました。制度会計では会計的な正確性が求められ原価計算ロジックなども厳密に決められています。従って、製造原価の分析を行ったり、各工場の目標管理や業績評価を行う管理会計としては柔軟性が不足しており機能が必ずしも充分ではありませんでした。
製造原価分析では、製造原価を分解して工場別や項目別の分析が重要となりますが、経理システムでは自動で資料を作成することができないため、Excelによる加工が各工場で必要となるなど人海戦術が避けられない状況でした。
一方で、管理会計業は日々重要性を増していました。キリンビールは「一番搾り生ビール」や「淡麗極上<生>」、「キリン のどごし<生>」、RTDの「キリン氷結」など製造量の大きな製品に加え、お客様の嗜好の多様化によって「淡麗グリーンラベル」や「キリン のどごし オールライト」など機能性を持った商品、また近年では「グランドキリン」をはじめとする個性豊かなクラフトビール人気も高くなってきています。このようなお客様の嗜好の多様化によって、新しい原材料を使用することが増えていたり、新鮮な製品をお客様にお届けするための高度な需給・製造体制が必要となって、今まで以上に詳細な製造原価管理を行うことが重要になっています。従来の経理システムとExcelでの製造原価管理では、これらの分析に充分応えられなくなってきていました。

データダウンロードのスピード、管理会計に即した機能、リーズナブルなコストが決め手

製品・原材料ごとに管理できる予実績比較

製品・原材料ごとに管理できる予実績比較

Workday Adaptive Planning導入前は、管理会計のための経理システムの改修をその都度行わなければならず、経理部門との調整に加え、IT部門や社外のベンダーとの打ち合わせや機能テストなど、多大な時間と労力、コストかけて対応していました。このように管理会計のITシステムに非常に苦慮していたところでWorkday Adaptive Planningに出会いました。Workday Adaptive Planningは、データのダウンロードのスピードが速いことやExcelとの連携が簡単に行え、今まで人海戦術で行っていた手作業を大幅に減らせる可能性があることがわかりました。柔軟な製造原価分析や予実算比較、工場目標・業績評価などの管理会計に求めていた機能をWorkday Adaptive Planningはクリアしていることが導入の決め手となりました。しかもクラウドサービスのため、導入コストやランニングコストが社内サーバー型のITシステムとは比較にならないぐらいリーズナブルであることも魅力の一つでした。
その点で、Workday Adaptive Planningは、求められている要件に適合していました。Workday Adaptive Planningのメイン機能が予実績管理ということもあり、予算や目標、前年実績との比較など対比軸の変更も容易にでき、管理会計をメインとするシステムとして活用できるとの結論に至りました。

作業の簡略化によって製造原価管理業務の標準化へ大きな前進

生産本部 生産部 小林 慶子氏

生産本部 生産部
小林 慶子氏

・データの集計からデータの分析へ

Workday Adaptive Planning導入後は、データの集計やExcelの加工など手作業に使用していた時間を本来の業務であるデータ分析に使えるようになりました。例えば、ビール類の製造には大規模な設備が必要ですが、これをメンテナンスする費用である修繕費の適切な管理が課題となっていました。Workday Adaptive Planningによって修繕費の予実算差異が発生している原因分析やその対策の検討に時間を割くことができるようになりました。また、費用の年間見通しシミュレーションを行うことで予測精度も向上し、限られた経営資源を有効に活用するために、期中での予算配分の見直しも出来るようになりました。整備不良による設備故障を防ぎ、かつ修繕費の総額を削減するためには、工場と本社が一体となって検討を進めていくことが重要です。工場とのコミュニケーションを金額ベースの定量データを用いて行えることになったのは大きな前進でした。

・付加価値の低い業務が不要になり効率化に寄与

Workday Adaptive Planningを導入後は、原価管理帳票の定型化と自動化が出来るようになりました。これら帳票の標準化が進む事よって、工場ごとの資料のばらつきがなくなり、各工場がそれぞれ作成していた資料も1工場が作成すればすぐに横展開できるようになりました。Excel作業ではよくある計算式や参照範囲の間違いもなくすことでき、これらの間違いを見つけたり修正にかける時間が不要になるなど、付加価値の低い業務の効率化に大きく寄与しています。また、クラウドシステムの特徴でもありますが、バージョンアップも自動化で対応しているためユーザー側での直接的な作業はありません。

・工場の目標管理の多様化にも対応

工場では、優れた製品品質を維持向上し続けることや欠品せずかつ余剰在庫を増やさない需給管理などと共に、適切なコストで製造できているかどうかが重要な指標となり、各工場の目標・評価項目として位置づけています。一言で製造原価と言っても各工場では作っているブランドも違えば、求められる機能や役割も違ってきます。そのため9工場の製造原価を単純に横並びにして比較しても意味ありませんし、各年度で製造原価の項目の中でも重点ポイントが違ってきます。工場目標はそれらの求める水準を表すものでもありますので、画一的ではなく毎年柔軟に変更していく必要があります。この製造原価の目標管理に置いてもWorkday Adaptive Planningはその機能をいかんなく発揮しています。

・まとめ

Workday Adaptive Planningは、製造原価の予実算管理、対比軸の多様化、製造原価のシミュレーション、工場目標・評価管理など管理会計業務の最適化に大きく寄与しています。どれか一つだけでなく製造原価管理の全体をカバーできる管理会計システムとして活用できるようになりました。今までの経理システムでの制約要件が解消できたことによって、会社業績につながる製造原価情報を質・量とも多く提供できるようになったと感じています。

Workday Adaptive Planningを活用して、グループ経営理念を推進していく

Workday Adaptive Planningを活用して、グループ経営理念を推進していく

・製造原価管理を一層進めて、お客様に愛される会社になりたい。

今後は、Workday Adaptive Planningの活用を一層進め、工場の現場で活かせるより詳細なデータにまで範囲を広げていきたいと考えています。合わせて工場での分析レベルやスキルを上げていく予定です。原価管理に留まらずデータは活用して初めて意味のあるものです。いかに情報をタイムリーに意思決定に繋げていけるかを今後も意識していきたいと思います。
キリンビールがお客様により今まで以上に愛され、日本綜合飲料事業のミッションである「あたらしい飲料文化をお客様と共に創り、人と社会に、もっと元気と潤いをひろげていく」会社であり続けられるよう取り組んでまいります。

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